こんにちわ。資料作成のPaperdockです。
前回色覚について科学的に考えてみました。今回はそれをふまえて、色の使い方のガイドラインを作成してみました。このガイドラインに従うと、情報をより聴衆に届けやすくなります。
ぜひ、試してみてください。
似通った色を利用すると、聴衆は、どの情報が重要なのか迷子になってしまいます。たとえば、見出しが青で、主張文が濃紺だと、その差は曖昧になってしまいます。ん?どっちが重要なんだろう?と思い始めた時点で聴衆は話を聞けなくなります。
例を出してみます。上図のように、赤の文字以外は全て青系の色を使ってみました。赤い色があることで、そこにすぐ目がいくと思います。下二つは、色の差はみてもわかりますが、どちらが重要な情報かというのはちょっと判断がつきにくいのではないでしょうか。
二番目の文の方が、濃い色だから重要かな?となんとなくは思うかもしれません。しかし、はっきりしない時点でもう迷ってしまっています。これでは次の情報を素直に聞けません。
まずこれをみてみてください。青と濃紺の文字で比較してみます。これは色的にも近いですので差がわかりにくいですね。これをグレースケール化してみます。これによって明度の差がよくわかります。
色合いを抜いて、明度だけで比較すると、差はわかるものの、どちらがより重要な情報か、という視点ではわからないですね。色差が十分でないということになります。ちょっとわかりにくいスライドだな、と思った際には、色差をグレースケールでチェックしてみましょう。
人間の目は前回の記事にも書いたように、錐体細胞が視覚情報をミックスして処理してくれます。その中でも、「赤ー緑」「青ー黄」「黒ー白」の色がベースとなり、そこから色の差分などの情報を脳で処理します。ですので、この6色は容易に見分けがつきます(差分処理がないため)。
他の、たとえば紫やオレンジなどは、この6色を混ぜてできていると考え、色の見分けがつきにくくなると考えましょう。6色をうまく明度をおとすことによって、色のバリエーションを増やすこともできます。
前述の6色でも、青ー黄、赤ー緑の反対色は近くに置くべきではありません。見分けがつく反面、強い色信号ですので、目がチカチカします。
赤と緑、で思い出すもののひとつといえばクリスマスツリーでしょうか。これは緑の明度が低く、さらに緑が色面積の大半を占めることで、落ち着いています。もしこれが、緑も赤も同じ面積で混在していると、やはり、目が痛くなって来ます。クリスマスツリーでは、赤がアクセントとなっているので成立するわけです。
色の面積の配分も考慮して配色してみてください。
プレゼンテーションや資料作成において、聴衆を想定することは重要です。また、知れるものなら、事前にどのような人が見にくるか、確認しておきましょう。
プレゼンの場が大人数の聴衆に向けてのものである場合、会場には色覚異常の聴衆もいることでしょう。
その方達にも見やすい「アクセシビリティ」に配慮したプレゼンも考慮しましょう。
もしあなたが、プレゼン中に「黄色の文字の部分が今回の主張です。またオレンジの文字のところが、その裏付けです」と言おうものなら、色覚異常の方は、どこを見ていいのかわからなくなってしまいます。
色でいうのではなく、見出しにPoint 1などとつけて、バリアフリーなプレゼンテーションを心がけましょう。