色覚について、科学的に!【色のコントラストを意識しよう】

このエントリーをはてなブックマークに追加

こんにちは。資料作成のPaperdockです。プレゼンや資料作成を行う際、「色」は聴衆に訴えかけるための重要なファクターです。 例えば、学校の勉強でノートを取る時、赤い色でマークしたらそこは重要、など慣習的に捉えていることだと思います。 さて、なぜ重要=赤なのでしょうか。青や緑では重要だと思わないのでしょうか。 今回は色覚を捉える際の視覚情報について、科学的に考えていきます。きっと、プレゼンのデザインを考える際に役に立つことでしょう。  

目の構造

 

目の大枠の構造

  まず、実世界での物体がどのように目が捉えているかおさらいです。これは理科の授業でも学んだ内容担っていますので、ご存知の方は、読み飛ばしてください。 img_retina_001   出典:網膜の不思議|参天製薬 図のように、実世界の物体は、目の奥の網膜に対して、上下反転して映し出されます。しかし、我々が普段見ている世界は、上下反転ということはありません。そんなことが起こってしまっては、生活するのも一苦労でしょう。 これは脳の処理により、正立させていることがわかっています。 上下反転するメガネを数日かけて生活したところ、次第に脳は適応し、ついには、上下反転しなくなったという研究結果があります。 わかりやすく見事な研究ですね!倒立した像はこれにより、脳が反転させていることがわかります。 さらにフォーカスを網膜に当てて見ましょう。

網膜の視細胞

photo   出典:光と色と このように、網膜の視細胞は、さらに分類すると、「錐体細胞」と「桿体細胞」に分かれます。 文明の発達により、我々がふだんよく使っている視細胞は錐体細胞です。錐体細胞と桿体細胞は以下のように光の強弱によってどっちが働くかが変わってきます。 img_retina_002   img_retina_003   プレゼン会場はもしかしたら、くらいかもしれません。しかし、スクリーンに映った映像は強い光によって映し出されているため、聴衆が見るのは、錐体細胞によって色覚を形成すると考えられます。 さて、あなたのプレゼンを見てくれる錐体細胞に、さらにフォーカスを当てて見ましょう。  

プレゼンを見てくれる錐体細胞

さて、目の構造から入って、網膜は錐体細胞までフォーカスを当ててきました。錐体細胞は光の強いところで活躍し、色彩豊かな実像を処理してくれます。(逆に桿体細胞は、暗がりの中で働き、暗いところでは色があまりよくわからなくなるという経験はあると思います。ですので、桿体細胞は、色彩を認知することはあまり得意ではありません。) 錐体細胞は三つのタイプに分かれます。

  • L錐体・・・可視光のほぼ全体をカバーできるが、特に赤と黄色に対する感度がいい
  • M錐体・・・青からオレンジのような色をカバーし、全体としての感度は、Lに比べればよくない
  • S錐体・・・紫、青などをカバーする。L,Mに比べると感度が低い。

の三種類です。つまり、S錐体の感度が低いため、紫や青といった色には、人間の目は感度が鈍いと言えます。 とくに、「紺」と「濃紺」のような曖昧な色差では、感じにくくなってきます。青系のデザインを考える場合には、この辺りのことを念頭に置いてみてください。

色差を感知している

人間の目は、絶対的な色を感知しているわけではありません。 L、M、Sのそれぞれの錐体はいつでも、一色ずつ見ているわけではありません。それでも我々は色を認知できています。ポイントは引き算と足し算です。色の差を情報としてみる(L,SとM,Sから入ってくる情報)と色を足して見る(LとM)によって、色情報を処理しています。 実際に実例を見てみましょう。 optical-illusion13

背景色をグラデーションにした場合、両脇に並ぶ計6個の六角形は、中の色が違うように見えます。 このグラデーションを黒一色にすると

optical-illusion14

出典:目の錯覚が起こる面白い画像のまとめ|Ofee  

六角形が同じ色であることがわかります。このように見えるものを錯視と言いますが、色差に敏感な我々の目だからこそこのような錯視が起こります(色の引き算によって、相対的に色を捉える)。 さらに有名な画像が以下の画像です。 step1_1 出典:http://www.nazotoki.com/step1.html   この画像は、エーデルソンの錯視という有名な画像です。AとBは同じ色です。しかし、円柱の影によって、Bの方が明るく見えてしまいます。 エーデルソンは、この研究で、我々の目は、絶対的な明度よりもコントラストに敏感だと結論づけています。

 コントラストに配慮しよう

  少し長くなりました。今回のコラムは色覚の特にコントラストについて、科学的に見てみました。このシリーズをしばらくの間続けて見たいと考えて見ます。次のコラムもぜひお楽しみに!!


この記事をシェアする

Paperdockをフォローしておすすめ記事をチェック

Copyright ©THINKPLUS Co.,Ltd. All rights reserved.