プレゼンの極意【聞き手を営業マンに!】

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プレゼンの極意シリーズで今まで資料作成や心構えなどについて記述してきました。今回は新たにプレゼンをするとどういうことが身の回りで起こるか、起きれば成功かということを考えてみましょう。

聞き手を営業マンにしよう

営業マンにしよう! あなたのプレゼンを聞いてくれた人は、あなたの代わりに営業マンになってくれる可能性があります。何度もこのシリーズで例として揚げているスティーブジョブズは、聞き手を営業マンにすることができました。 「口コミ」というのは、ITが発展し、SNSやブログで誰もが世界中に向けて発信できるようになったことで、ますます情報の拡散効果が上がっています。 あなたのプレゼンを聞いて、あなたの提案内容について他の人に伝えてくれれば、あなたは営業活動をしなくて済みます。また、あなたが伝えるより、第三者が伝えた方が二次聴衆者は、信頼することもあります。提案内容をよいと思っているあなたより、客観的に見てよいことを伝えられていると考えるからです。 しかし、この「営業マン」たちが、あなたの提案内容をしっかり伝えてくれるかが問題です。

「口コミ」は伝言ゲーム

思考のフィルター あるプレゼンをAさんがしました。 A→B→C→D→E…と、伝言ゲームが始まります。 もし、Aさんのプレゼンが、しっかり設計され、何人にもわたって伝言ゲームが達成されたのならば、Aさんのプレゼンは大成功です。 しかし、大抵の伝言は、内容がどんどん削られていきます。思考のフィルターを通っても、重要なことが最後まで伝われば、プレゼンが成功したと思って良いでしょう。

クチコミ効果

マーケティングの観点においては、クチコミの効果について、古くから研究されています。 Bearden & Etzel(1982)らは、商品が高額である場合、クチコミという直接的な相互作用が強く作用すると報告しています。 確かに、高額な商品を買う場合は、易々と購入することはできません。ネットでの情報もどこまで信じて良いか難しいところです。そんな中、親しい人からクチコミを聞けば、その人を信頼し、購入に踏み切る可能性が高くなるでしょう。 クチコミが発生しやすい状況としては Dichter(1966)や Richins(1987)が製品関与、 自己関与、他者への関与などが重要であることを報告しています。 スティーブジョブズは、プレゼンにより、自社の製品を使っていることを、聞き手に想像させることがうまかったわけです。これにより、製品関与度が高まります。頭の中ではiPhoneを使っているのですから。 彼のプレゼンを聞いた人たちは、嬉々としてApple製品の営業マンを担当してくれたことでしょう。iPhoneは高価な製品ですから、口コミの効果は絶大だったわけです。

言葉選び

上記の通り、口コミであなたは営業マンを増やしていけます。 しかし、営業マンになってくれる人は、どうしたら、あなたの代理営業マンを務めてくれるでしょうか? まず言葉はわかりやすい方がいいでしょう。もしあなたの製品が小学生が使うものだとしたら、簡単な言葉を選ぶことでしょう。逆に、高齢者が使うものなら、丁寧な言葉を選ぶかもしれません。 そのサービス、製品のユーザは誰ですか?あなたの言葉はもしかしたらわかりにくいかもしれません。アーリーアダプターまでのユーザーが5人以上に伝言してくれたら、見事!あなたのプレゼンは成功です。

幸せを求めにやってくる聴衆

ソフトバンクの孫さんはプレゼンで人を幸せに。 聴衆は社内であれ、社外であれ、はたまた、イベントであれ、幸福や驚きを求めています。聴衆が寝ていたとしたら、聴衆が喜ぶような情報は伝えられていません。 ソフトバンクの孫さんは、株主総会で、毎回言葉は違えど、「ソフトバンクは成功している」「ソフトバンクは約束を守る」ということを株主に伝えています。 孫さんは、「営業利益1兆円」を掲げ、その1年後に「去年は大ボラの大風呂敷を広げたが」とはじめ、実際に達成したことを報告しました。 株主は嬉しいでしょう。もっと株を買いたくなります。そして、孫さんのプレゼンは、「トーク」なのです。 あくまで、かっちりしたものではなく、「大風呂敷を広げた」というくらいですから、腹を割って話しているように見えます。これは、一方的に話しているのではなく、それぞれの聞き手に語りかけているように聞こえるのです。 社内でも、上司が一方的に決めたルールを貼り紙一枚貼っておくだけでは、浸透しにくいでしょう。代わりに、自分の言葉で一人一人に伝えたら、部下は納得してそのルールを守るようになります。 大風呂敷を広げた孫さんですが、実績としてもちゃんとやってのけてしまう。こうなれば、株主たちは、未来を想像せずにはいられません。どんどんソフトバンクのことを考えるでしょう。先述した通り、自己関与の度合いが上昇します。 いかに想像させて、自分事として捉えてもらうかということが重要です。

まとめ

今回のまとめをTwitterでつぶやくとすると 「プレゼンはクチコミを狙え!相手が喜ぶとクチコミをしたくなる。聞き手を喜ばせよう!」 といったところでしょうか。 このワンライナーを核として構成した文章が上記です。この程度の核であれば、誰もが家に持って帰ることができるはずです(Take-Home messeageと言います)。 Paperdockとしてもクチコミしてくれることを願っています(笑)


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