多くのビジネスパーソンが経験し、得意不得意に大きな差がでるのが”プレゼンテーション”、いわゆる”プレゼン”です。これから数回にわたって、プレゼンを効果的に行うためのトピックスを投稿していきたいと思います。
今回はプレゼンの「心構え」についてです。
プレゼンには目的があります。もちろん内容によって目的は異なりますが、どのプレゼンも共通した目的は自分の伝えたい情報の伝達することです。
では情報の伝達とは、どうするのがうまいやり方なのでしょうか。「伝達」というくらいですから、当然一人では完結しません。話し手と聞き手が必ずいてこそ成立します。このことは、どのようなコミュニケーションにおいても、大前提として考慮しておかなければ、うまく伝達することはできません。 さらに、情報伝達の大前提として、相手が既に知っていそうなことから話し始めるということが効果的だと言われています。
次のような場面を考えてみましょう。
Aさん「(突然)田中が、この前・・・」
Bさん「えっ?どこの田中さん?」
となってしまいます。
これはBさんの中に田中さんに至る情報が何もないから生じる現象です。
Aさん「○○部署の小林(AとBの共通の知り合い)の後輩の田中ってやつが・・・」
Bさん「ふむふむ」
とBさんはスムーズに話に入ってくることができます。相手(聞き手が)が知っている、理解している情報から、情報を伝えていくことがスムーズに話を聞いてもらえる一つのやり方です。 さらに効率的な伝達を行うために、「論理」というものについて知っておきましょう。
論理と聞くと、難しそうだなと思う方もいらっしゃることでしょう。普段の仕事で論理の恩恵を受けるには、あるポイントを押さえておくことが重要です。 論理は英語ではLogicと言います。この単語はギリシャ語のLogosから派生していますが、Logosの意味は「理由」という意味です。「理由」を記述していくことが、論理的なプレゼンをするための重要なポイントだと捉えておくとよいでしょう。
例えば、次のような場面を考えてみましょう。
Aさん「○○さんが上司に怒られたらしい」
Bさん「どうして?」
Aさん「どうやら、納期ギリギリまで報告書に不備があるのを気付かず、改修する時間もないんだって」
Bさん「それは大変だ、結局それどうなったの?」
Aさん「チームメンバーで人手をかき集めて、直したそうだよ。」
こういう会話があったとします。これをBさんに質問させないようにするのが論理です。見てみましょう。
Aさん「納期ギリギリまで報告書に不備があるのを気付かず、改修する時間もない状況になったことが原因で、○○さんが上司に怒られたらしい。結局、チームメンバーで人手をかき集めて直したそうだよ。」
Bさん「へー、そうなんだ。」
会話のやり取りとしてはこちらの方はつまらなく感じます。 しかし、論理的なプレゼンとはこのように聞き手の疑問を想定して理由を話していくということです。
ここまでで、
が重要なポイントとしてあげさせていただきました。
上述してきたとおり、自分の伝えたい情報・内容を相手に理解してもらえてこそのプレゼンです。そのため、プレゼン資料を作る前には、まずは「何を伝えたいかを明確に」しなければなりません。そして、聞き手からどのような疑問が浮かんできそうかということを想定しながら作る必要があります。 伝えたい情報を整理し、無駄なくシンプルなデザインで相手に届ける必要があります。プレゼンにおけるデザインとは、あくまで「聞き手に話し手の目的を瞬間的に理解させる機能」です。見た目のかっこよさだけに捉われずに、目的を明確にし、情報を整理することで、必然的にプレゼン資料は洗練された伝わるプレゼンになっていくでしょう。
さて、ここまでで、プレゼンに対する「心構え」、そしてプレゼン資料の作成時に気をつける点をお伝えさせていただきました。次回はスティーブジョブズのプレゼンについて分析しながら、プレゼン資料について考えていきたいと思います。ぜひ次回もおたのしみに!