プレゼンの極意【ジョブズを参考にしよう】

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数回にわたってお送りするプレゼンの極意、第2回。今回はプレゼンの名手「スティーブ・ジョブズ」について分析していきたいと思います。その前に、前回の記事の簡単におさらいをしておきます。

前回の記事の概要

  • プレゼンでは、聞き手という相手が必ずいる
  • プレゼンの目的は聞き手に伝えたい情報を理解してもらう
  • そのためには聞き手が知っていることから始まり、徐々に知らないことへと話を展開させる
  • 効率的に伝えるには、論理展開が必要
以上の内容をお伝えさせていただきました。詳しくは、前回の記事をお読みいただきたいと思います。

ジョブズのプレゼンはシンプルなものだった

jobs-jpg さて、ジョブズの行ったプレゼンを見たことがある方は多いとおもいます。もしまだ見ていないようでしたら、スタンフォード大学の卒業式でのスピーチは有名ですし、プレゼンということであれば、iPhoneの初お披露目イベントのプレゼンを見るとよいでしょう。 彼のプレゼンは、多くのことを詰め込んでいるわけではありません。聴衆のことを考え、メッセージは伝えたいものだけに絞り込まれています。 例えば、iPhoneの発表イベントであれば、iPhoneの仕様など多くのことを語れます。ただ、そんなことを発表しても聴衆は退屈になるだけです。聴衆が知りたいのは「iPhoneが自分の生活をどう変えるのか」ということに尽きます。ジョブズは、これを伝えることに徹していたわけです。

キャッチーなヘッドライン

そして、トピックを絞り込み、さらにうまいのが、ヘッドラインもキャッチーなものを用意しています。
  • 我々がうまれもっているデバイス、我々の指だ(スタイラスペンを不要とした時に発言)
  • 画面にはとても美しいボタンを配した。思わず舐めたくなるだろう。
  • 電話を再発明する
など、このままTwitterなどで拡散できそうなヘッドラインを使っています。つまり、プレゼン会場から出て行った後でも、そのまま覚えて帰ってくれる言葉を選んでいます。こうった言葉をTake-home messageと言ったりしますが、ジョブズのプレゼンでは、聴衆がしっかりメッセージをお持ち帰りしてくれるのです。

ジョブズのプレゼン資料はどうだった?

20100130_1302359 もちろんこれもシンプルです。画像と、箇条書きがあるのみです。プレゼンは、映し出されているスライドの資料にメモを取る時間ではありません。あくまで、話を聞く時間です。 聴衆は、メモを取りながら聞くということはできないので、聞かせることに徹する必要があります。 そのため、話は理解しやすく、資料はあってもなくてもいいレベルのもの、ただし何の話をしているかを補足するものであればいいわけです。 そして、前回もお伝えしたように、プレゼン資料は、聴衆が迷子にならないデザイン、かつ見た目にもかっこよくスタイリッシュなものになっています。

情報の下地の重要性

original映画「未知との遭遇」より これも前回お伝えしましたが、まず聴衆が知っていそうなことから始めます。これが情報の下地になり、知らないことでも聴衆は理解しやすくなるわけです。これは話の知識の有無だけではなく、ジョブズは最初にアウトラインを伝えることでも実践しています。 スタンフォード大学での卒業式スピーチでは冒頭に、「これから三つの話をします」ということを言っています。これによって、聴衆は話の骨格が掴みやすくなります。プレゼンに限らず、文章を書く場合、目次があると話の骨格がつかみやすいことにも似ています。

マジカルナンバー7(ミラーの法則)

priceaction-mgicalnumber7-001-630x384 よく、人間の短期記憶ではまとまった7つのことくらいまでは覚えてられると言われています。個人的には、プレゼンして聴衆が覚えていられるのは5つのことまで、と考えています。 人間の指の本数が5つであることもあり、指折りすれば、数えられるからです。 さらに覚えやすいの3つです。マジカルナンバー7は人間の短期記憶を過大評価しすぎだという話もあります。それでも3つ覚える程度のことはできます。ジョブズが先のアウトラインで三つの話としたのも、この辺りが理由ではないかと思います。

実務でジョブズのプレゼンを応用するには

実務上ジョブズのプレゼンは、扱いづらいこともあるかと思います。理想的には彼のようなプレゼンがいいですが、そうはいきません。ここで、細かな内容に関してはドキュメントを作成するのがいいと思います。スライドはあくまで箇条書きとイメージで伝え、細かな部分は補足資料として、ドキュメントを配布するのがいいです。もちろんドキュメントを説明する段階には、ドキュメントの骨子をスライドに記述する必要があります。 これで、聴衆がスライド資料を常に眺めている状態から、プレゼンを聞くという姿勢にすることができます。 情報はシンプルに表示し、伝えることが重要です。

次回予告

次回は、実際にプレゼン資料の作成の極意をお伝えします。次回もお楽しみに!

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